「好きなことをやっていると、まるで『ゾーンに入る』みたいにすごく集中できる。
でも、そのあとに、バッテリー切れのようにヘトヘトになってしまう……。どうしてだろう?」
そんなふうに不思議に思ったことはありませんか?
実はその「ものすごい集中力」は、気合いの問題ではありません。
発達障害(ADHDやASDなど)の特性である「過集中(かしゅうちゅう)」と呼ばれる状態かもしれません。
「ゾーンに入る」ほどの集中力は、素晴らしい成果を出せるメリットがあります。
その一方で、心と体を極端に疲れさせてしまうデメリットも持っています。
この記事をお届けするのは、カフェベルガです。私たちは、就労移行支援という制度ができる前から、発達障害のある方に寄り添ってきました。今回はこの「過集中」の仕組みを分かりやすく解説します。
自分の特性を客観的に知ることは、とても大切です。
「良い面も悪い面もある、自分の特徴なんだな」と安心できるようになりますよ。
吉田さん、ものすごく集中できるのはすごいことだけど、そのあとの「バッテリー切れ」は辛いですよね。これって発達障害の特性だったんですね!
ええ、そうなのよ。素晴らしい才能であると同時に、気をつけないといけない面もあるの。上手に付き合っていくためのヒントを、一緒に見ていきましょうね。
過集中ってどんな状態?
「過集中(かしゅうちゅう)」という言葉を、聞いたことはありますか?
これは、特定のことに極端にのめり込んでしまう状態のことです。
時間が経つのを忘れてしまったり、周りの音が聞こえなくなったりします。
たとえば、周囲の景色が真っ暗になるイメージです。
スマホの画面だけが、強烈に光って見えるような状態です。
自分の意思ではブレーキが踏めない、暴走するスポーツカーによく似ています。

普通の「集中」と何が違うの?
「集中力があるのは、良いことじゃないの?」と思うかもしれませんね。
でも、普通の集中と過集中には、大きな違いがあります。
一番の違いは、「自分の意思でやめられるかどうか」です。
普通の集中なら、疲れたときやキリが良いところで、自然に手を止められます。
ですが過集中の場合は、頭で「やめなきゃ」と思ってもブレーキが効きません。
疲れや空腹のサインにも、まったく気づけなくなってしまうのです。
どんなときに過集中になりやすいの?
では、なぜ発達障害(ADHDやASDなど)がある人に起きやすいのでしょうか。
ADHDの場合は、脳の「ドーパミン」という物質が関係しています。
好きなことや、締め切り直前のプレッシャーを感じたときに、脳が過剰に反応します。
その結果、極端にのめり込んでしまうのです。
ASDの場合は、「強いこだわり」が関係しています。
「完璧にやりたい」という気持ちも影響します。
途中でやめることに、脳が強いストレスを感じます。
そのため、キリが良いと感じるまで、やめることができなくなります。
過集中の「すごいところ」(メリット)
過集中は、決して悪いことばかりではありません。
実は、とてもすごい才能でもあります。
- 圧倒的なスピード:普通なら何日もかかる作業を、数時間で終わらせることができます。
- 高いクオリティ:細かいところまでこだわり抜いて、素晴らしい成果を出せます。
- 知識の吸収力:好きなことを極めるために、すごいスピードで知識を身につけられます。
プログラマーやデザイナーなど、専門的な職種で高く評価されることも多いのです。
なのに、なんで困るの?(デメリット)
こんなにすごい力なのに、なぜ困ってしまうのでしょうか。
それは、集中が切れたあとに、急激な「バッテリー切れ」が起きるからです。
過集中の最中は、脳が疲れを感じにくくなっています。
そのため、作業が終わった瞬間に、倒れ込むように疲れてしまうことがあります。
数日間、起き上がれなくなることもあるのです。
また、時間を忘れてしまうため、ご飯や睡眠の時間を削ってしまいます。
周りの声も聞こえなくなるので、「無視された」と誤解されることもあります。
心と体や、人間関係に大きな負担をかけてしまうのが問題なのです。

まとめ:自分の特性を知ることが、次の一歩につながります
この先「またやりすぎて疲れてしまった」と、うんざりすることもあるかもしれません。
あなたのその「過集中」という力は、見方を変えればあなただけの立派な強みです。
大切なのは、自分の特性を正しく理解して、自分だけの「取扱説明書」を手に入れることです。
もし、今後の働き方や将来のことで不安になることがあれば、一人で抱え込まずに私たちに相談してくださいね。
カフェベルガは、いつでもあなたの味方です。
