「仕事をしたいけど、自分にできることってあるのかな?」
「発達障害があると、やっぱりむずかしいのかな……」
そんなふうに思ったことはありませんか?
たしかに、働くことにはいろいろな不安があるかもしれません。
でも、安心してください。あなたの「得意なこと」や「落ち着けるやり方」は、きっと仕事に活かせます。
このコラムでは、発達障害のある人に
- 向いているかもしれない仕事
- 安心して働くためのヒント
をやさしく紹介します。
今すぐ就職しなくても大丈夫。
まずは、「自分にはどんな可能性があるんだろう?」と知るところから、いっしょに始めてみましょう。

ぼくにもできそうな仕事って、何かあるのかな…?
もちろんあるわよ!一緒にゆっくりと探していきましょう!

1. 発達障害と仕事のむずかしさ
発達障害には、いくつかのタイプがあります。
- ASD(自閉スペクトラム症) :人との関わりが苦手。決まったやり方の方が安心。
- ADHD(注意欠如・多動性障害) :集中するのが苦手。じっとしているのがつらい。
- LD(学習障害) :読む、書く、計算するのがとても苦手なことがある。
こうした特性があると、仕事をするときにいろんな困りごとが出てきます。
たとえば、「曖昧な指示がわからない」「たくさんのことを同時にやれない」「人とのやりとりがうまくいかない」などです。
でも、大丈夫。
あなたの得意なことや、落ち着ける環境を見つけることで、「向いている仕事」はきっとあります。

2. タイプ別「向いている仕事」のヒント
発達障害といっても、人によって得意・不得意はちがいます。
ここで紹介するのは、「こういう特性がある人に、よく向いていることが多い」という例です。
必ずしも、すべての人に当てはまるわけではありません。
だから、「自分の場合はどうかな?」と考えながら読んでみてください。
◎ASDの人に向いている仕事
ASDの人は、決まった手順で同じ作業をするのが得意なことが多いです。
集中力が高く、細かいところに気づく力もあります。
向いている仕事の例:
- データ入力、チェック作業
- プログラマーやITの仕事
- 会計や経理
- 工場でのライン作業や設備点検
- 校正や技術的な文章を書く仕事(テクニカルライター)
◎ADHDの人に向いている仕事
ADHDの人は、じっとしているよりも動きのある仕事が合うことがあります。
新しいことにワクワクしたり、アイデアを出すのが得意な人もいます。
向いている仕事の例:
- 接客や営業
- 配達や訪問型のサービス
- イベントの手伝いや企画
- デザインやものづくりの仕事
◎LDの人に向いている仕事
LDの人は、読み書きが苦手なことがあります。
でも、体を動かす仕事や、目で見て覚える作業が得意な場合があります。
向いている仕事の例:
- 清掃や園芸
- 工場での作業
- 配送センターでの仕分け

3. どんな職場なら安心できる?
仕事が自分に合っていても、働く場所が合わないとつらくなります。
たとえば、にぎやかすぎる場所や、次々に指示が変わる職場は、不安になることがあります。
安心して働ける職場には、こんな特徴があります。
- 作業内容がはっきりしている
- 周りの人がやさしく、相談しやすい
- 自分の特性をわかってくれる人がいる
そういう場所を、自分だけで見つけるのは大変です。
だからこそ、就労移行支援というサービスを使ってみるのもいい方法です。
支援員といっしょに、自分に合う仕事や職場を探すことができます。

4. 無理しないで働くために
大切なのは、「自分の得意」「苦手なこと」を知ることです。
苦手を責めるのではなく、「じゃあ、どうしたらやりやすくなるか?」を考えることが大事です。
また、自分ひとりでがんばろうとすると、つかれてしまいます。
だからこそ、信頼できる人や支援員さんに相談してみましょう。
あなたの強みを一緒に見つけてくれる人が、きっといます。
無理をせず、少しずつ。
あなたに合った「はたらき方」は、必ずあります。
ぼく、できないことがたくさんあると思ってたけど…、向いてる仕事もありそうかな?
そうよ。君にしかできないことも、きっとある。まずは、ゆっくり探していこうね。
