前回記事【カフェベルガはどうして「発達障害」特化なの?―カフェベルガのヒストリーその2】

カフェの運営や、いろいろな取り組みをされている間に、「就労移行支援」という制度ができた。こんな流れになるんでしょうか?
そうね。発達障害が福祉サービスを受けられる法律ができたので、飲食店の事業を福祉事業に切り替えました。

発達障害者支援法、という法律が制定されました。平成24年から、それまで障害に入っていなかった「発達障害」が福祉サービスを受けられる時代に変わったのです。
そこでカフェベルガは、飲食店としての事業を福祉事業に切り替えました。

「就労移行支援」を中心に据えるほうが、飲食店そのものをやるよりも、やりたいことや目指している目標につながっていく。というお考えだったんでしょうか?
そうです。私たちはもともと、発達障害の子どもたちが実際に働いたり、試したりできる場所の事業がやりたかったのよ。

発達障害といわれるような子どもたちが、何か社会参加できるような機会を作れるかどうかを試しながら、カフェを運営してきました。
ただの飲食店というよりも、そういった人たちが実際に働いたり試す場所としての事業が、本当はやりたかったことでした。

カフェベルガと友遊舎には非常に歴史がある、ということがよく分かりました。
最後に、これから先のことについて、ちょっと聞かせていただけますか?
社会が変わって働きやすくなっていくということは、必ず将来起こるだろうと思っています。今は困難を抱えている人たちの生きづらさが、少しずつ解消されていく社会になる。そういうことに携われる事業にしていきたいなと思っています。

今現在の状況を見ると、やはりまだ障害者枠というものに縛られてしまっています。
一般企業に入っても、一部制限された場所でしか働けない。それを少しでも、開かれた職場にしていきたいと思っています。
そのためには、利用者さんの特性を企業にお伝えしたり、あるいは企業側からどのように働く環境を作ったらいいのかと問われたときに、きちんと答えることができるようにしたり。そういったことから始めて、企業の中で働きやすい場所を少しでも広げていく。そういった事業も行っていきたいと思っています。

ありがとうございました!
関連記事